
「いつかは自分の城を持ちたい」
その夢への第一歩を踏み出そうとされている先生の胸には、期待と同時に、何から手をつければいいのかという不安が入り混じっていることでしょう。
「まずは良い物件を探すべき?」 「資金調達はどうする?」
もちろん、それらも大切です。 しかし、その全てを始める前に、絶対に行うべき「最初の作業」が2つだけあります。
- ビジョンとコンセプトの設計(想いを「伝わる言葉」にする)
- 開業日の設定(夢に「日付」を入れる)
なぜ、この作業が先生の未来を左右するのか? この記事では、開業準備のファーストステップにして最重要課題である「ビジョン設計」について、具体的な手順とともに解説します。
なぜ、開業準備は「想いの言語化」から始まるのか?
日々の臨床に追われていると、つい「内装はどうしよう」「機材は何を入れよう」といった目に見えるタスクから手をつけたくなりますよね。
ですが、断言します。 ビジョンやコンセプトが曖昧なまま進むのは、海図も持たずに大海原へ出るようなもの。 遭難する確率は限りなく高くなってしまいます。
明確なビジョン(羅針盤)を持つことで、先生の治療院経営には「ブレない軸」が生まれます。
- 意思決定のスピードが上がる 立地、内装、スタッフ採用、広告……。無数の選択を迫られた時、「自分のコンセプトに合っているか?」という基準があれば、もう迷いません。
- 資金調達の武器になる 金融機関が見ているのは数字だけではありません。「なぜやるのか?」という情熱と独自性は、融資担当者の心を動かす最強の説得材料になります。
- 理想のスタッフ・患者様が集まる 「先生の想いに共感しました」という理由で集まったチームや患者様は、定着率が段違いです。ビジョンは、最高の仲間を集める「旗印」なのです。
【実践】ビジョンを形にする5つのステップ

では、頭の中にある「ぼんやりとした想い」を、どうやって形にすればいいのでしょうか? 5つのステップで整理していきましょう。
ステップ1:Why(なぜ開業するのか?)
すべての原動力です。 「なぜ、リスクを背負ってまで独立するのか?」 「治療家として、人生で何を成し遂げたいのか?」 ここを深掘りすることで、他の院にはない先生だけのストーリーが生まれます。
ステップ2:What(何を提供するのか?)
「Why」を実現するための手段です。 ご自身の得意な手技、導入したい機器、保険と自費のバランス。どこまでの価値を提供したいかを定義します。
ステップ3:Future Vision(未来の景色)
開業はゴールではありません。 5年後、10年後、先生はどんな院長になっていたいですか? 「地域で一番の規模にしたい」のか、「一人治療院で技術を極めたい」のか。未来を描くことで、今やるべきことが明確になります。
ステップ4:How(コンセプトへの落とし込み)
ここまでの要素を統合します。 「誰に」「何を」「どのように」提供して選ばれる院になるのか。具体的な言葉に落とし込みましょう。
ステップ5:When(未来への旗を立てる)
ここが一番重要かもしれません。
「いつか」という言葉を捨て、「◯年◯月◯日に開業する!」と決めてください。
日付のない夢は、単なる願望です。日付が入った瞬間、それは「目標」に変わります。
逆算思考が働き出し、行動量が劇的に変わるはずです。

「頭ではわかるけど、いざ書き出そうとするとペンが止まる……」
そんな先生も多いはず。 そこで、質問に答えていくだけで、これらの要素が自然と整理できる「専用ワークシート」をご用意しました。
私たちが数々の開業支援で使ってきた秘伝のシートです。まずはこれを埋めることから始めてみませんか?

コンセプトを強固にする「ペルソナ」と「USP」
ステップ4で触れたコンセプト。これをより強力にし、患者様の心に刺さるものにするための鍵が「ペルソナ」と「USP(独自の強み)」です。
1. 「誰に」届けるか?(ペルソナ設定)
「地域の皆様すべてに来てほしい」 お気持ちはわかりますが、そのメッセージは誰の心にも響きません。ターゲットは絞れば絞るほど、刺さります。
- 鈴木 健司さん(42歳・男性)の場合
- 営業マネージャーで車移動が多い。
- 悩み:ゴルフの腰痛。平日は夜遅くか土曜しか通えない。
- 対策: 「夜20時以降の受付」「ゴルフ特化のコンディショニング」という施策が見えてきます。
- 高橋 恵子さん(53歳・女性)の場合
- スーパーのパート勤務。
- 悩み:五十肩の痛み。痛い施術は怖い、同年代の女性がいると安心。
- 対策: 「痛くないソフトな整体」「明るく安心感のある内装」が優先順位として上がります。
このように、たった一人の「理想の患者様(ペルソナ)」を想像するだけで、やるべきことは具体的になります。

2. 「なぜ」選ばれるか?(USPの明確化)

USP(Unique Selling Proposition)とは、
「患者様が、他の院ではなく先生の院を選ぶべき理由」のこと。
例えば、先ほどのペルソナに対してなら……
- 対 42歳男性(ゴルフ腰痛): 「ゴルフを一生楽しみたい方へ。スイング動作分析に基づいた、再発させない根本改善プログラム」
- 対 53歳女性(痛みが不安): 「『もう歳だから』と諦めないで。バキバキしない優しい施術で、趣味を楽しめる体を取り戻す専門院」
先生の「技術」と「ペルソナの悩み」を掛け合わせれば、必ず独自の強みは見つかります。

まとめ:すべての答えは、先生の「想い」の中にある
接骨院の開業準備。 それは、物件探しでも資金調達でもなく、先生自身の内面と向き合うことから始まります。
- Why(情熱の源泉)
- What(提供価値)
- Future Vision(未来像)
- How(コンセプト・ペルソナ・USP)
- When(開業日)
この土台さえしっかりしていれば、これから訪れるどんな困難も乗り越えていけるはずです。
ビジョンという羅針盤を手に入れたら、次はいよいよ「STEP 2:市場分析」。
先生の理想を実現できる、最高の場所を探しに行きましょう。

一人で悩まず、プロの知見を頼ってください
とはいえ、自分の想いを客観的に整理し、「売れるコンセプト」に昇華させるのは簡単ではありません。 特に初めての開業となれば、不安は尽きないものです。
もし、少しでも「考えがまとまらない」「自分の強みがわからない」と感じたら、私たちにご相談ください。 コンセプト設計から物件選定、資金調達まで。先生の夢を「現実」にするためのサポートをワンストップで提供しています。
まずは、先生の熱い想いをお聞かせいただけませんか?

