
「開業したい情熱はある。でも、資金が足りない……」 多くの柔道整復師の先生が直面する、最初にして最大の壁が「資金調達」です。
その悩みに寄り添い、最も力強い味方となってくれるのが「日本政策金融公庫(略称:公庫)」です。
しかし、公庫は国の機関だからといって、申し込めば誰でも借りられるわけではありません。審査担当者は、「この事業は本当に成功するのか」「この先生に貸して返済が滞らないか」をシビアに評価しています。
この記事では、単なる書類の埋め方だけでなく、公庫担当者の心に響き、融資を「勝ち取る」ための5つの重要ポイントを徹底解説します。
なぜ、最初の融資は「日本政策金融公庫」が最強なのか?
本題の攻略法に入る前に、なぜ多くの開業コンサルタントや税理士が最初の融資先に「公庫」を推奨するのか。その理由は明確です。
- 新規創業者に積極的: 実績のない新規事業者への融資は、民間の銀行は及び腰になりがちです。対して公庫は「新たなビジネスの創出」を支援することが国の役割であるため、開業前でも積極的に相談に乗ってくれます。
- 低金利で固定金利: 民間に比べて金利が低く、返済計画が立てやすい「固定金利」が基本です。
- 無担保・無保証人が基本: 「新創業融資制度」などを利用すれば、原則として担保や保証人なしで融資を受けられます。
- 「社会的信用」の獲得: 公庫の審査に通ったという事実は、「国が事業の可能性を認めた」というお墨付きになります。これは将来、民間の銀行から追加融資を受ける際にも有利に働きます。
融資審査を「勝ち取る」ための5つの重要ポイント

融資審査の結果の9割は、提出する「創業計画書」の内容と、それを補足する「面談」で決まります。
担当者が「どこを見ているのか」を知り、的確にアピールしましょう。
ポイント1:「経営者の略歴」― あなたが“何者”であるかの証明
担当者が最も恐れるのは「貸した相手が事業を投げ出すこと」です。
履歴書のようにただ職歴を並べるのではなく、「これまでの経験が、今度の開業にどう役立つか」をストーリーで語ってください。
- 分院長として管理職を経験した(マネジメント能力)
- 月間〇〇人の集客を担当した(集客・マーケティング能力)
- 特定の技術を習得し、指名客が〇〇人いた(技術力・顧客満足度)
「なぜ今、開業するのか」という動機と実績を結びつけ、経営者としての資質を証明しましょう。
ポイント2:「取扱商品・サービス」― あなたの“強み”の宣言
「保険施術と自費施術をやります」だけでは不十分です。競合ひしめくエリアで生き残れる「独自の強み(USP)」を明確に示します。
- ターゲット(ペルソナ): 「産後の骨盤の歪みに悩む30代女性」など具体的に。
- 解決策(ソリューション): その悩みをどう解決するのか。
ここで強力な武器になるのが「医療機器の導入」です。
「手技に加え、最新の〇〇(物理療法機器)を導入することで、他院では対応できない深層筋へのアプローチが可能になり、高単価な自費メニューが提供できる」といった具体的な戦略は、事業の差別化要因として高く評価されます。
(▶︎ 差別化の鍵!ペルソナ・USP設定の詳細は以下の記事で確認できます)
ポイント3:「事業の見通し」― 数字の“裏付け”となる物語
売上計画は「希望的観測」であってはいけません。
担当者が重視するのは、その数字の「算出根拠」です。
【売上計画の算出根拠(例)】
- 客単価: 5,000円
- 設備: ベッド3床
- 回転数: 1時間あたり1.5人 × 8時間 = 最大36人可能
- 稼働率設定: 開業当初は40%と堅実に設定
- 1日予測: 36人 × 40% = 約14人
- 月間売上: 5,000円 × 14人 × 25日 = 1,750,000円
このように、「なぜその売上が立つのか」を分解して説明できることが重要です。
ポイント4:「自己資金」― 事業への“本気度”の証
自己資金は、先生の「信用」そのものです。
親からの贈与などで急に増えたお金よりも、「開業のために数年前から毎月コツコツ貯めてきた通帳の履歴」が最強のアピールになります。
一般的に、開業資金総額の1/3(少なくとも1/10)は自己資金で用意する必要があります。
「計画的に準備ができる人物である」ことを通帳で証明してください。
ポイント5:「面談」― “人柄”と“熱意”を伝える最終プレゼン
面談は、書類審査の答え合わせであり、先生の「人となり」を見る場です。
創業計画書に書いた内容は、すべて自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
「外部のコンサルタントに書いてもらったから分からない」は即アウトです。
礼儀正しく、自信を持って、自分の言葉で熱意を伝えることが、担当者の心を動かします。
【裏ワザ】審査担当者を安心させる「パートナー」の存在
実は、審査において意外と見られているのが「請求業務(レセプト)の安定性」です。
接骨院の売上の大部分を占める療養費が正しく請求され、確実に入金される仕組みがあるかは、返済能力に直結するからです。
ここで、「JBA(日本柔整鍼灸協会)のような、業界で信頼のある請求代行団体に加入予定である」と伝えることは、大きなプラス材料になります。
個人の力だけでなく、強力なバックオフィス機能を持つ組織と連携して運営するという事実は、金融機関に対して「経営の安定性」をアピールする材料になります。
まとめ:融資審査とは、事業の未来を伝えるプレゼンテーション


公庫の融資審査とは、単にお金を借りる手続きではありません。
先生が描く「事業の未来図」を、論理と情熱をもって伝えるプレゼンテーションです。
この記事で解説した5つのポイントを押さえれば、公庫の担当者は敵ではなく、先生の夢を応援するパートナーになってくれるはずです。
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