
「うちの院のターゲットは、地域にお住まいの皆さんです」
「腰痛に悩む、すべての人を助けたいんです」
先生のその想い、痛いほど分かります。施術者として、目の前の患者様を救いたいと思うのは当然のこと。
ですが、あえて厳しいことを言わせてください。
マーケティングの世界において、「すべての人」に向けたメッセージは、「誰の心」にも届きません。
なぜ、多くの治療院が撒くチラシやHPは、読まれずにスルーされてしまうのでしょうか? 答えはシンプル。それが不特定多数に向けた「広告」になっていて、たった一人の「あなた」に向けた「手紙」になっていないからです。
この記事では、先生の発信を未来の患者様への「ラブレター」に変える強力な手法、「ペルソナ設計」について解説します。
※本記事を読む前に この記事は、失敗しない開業のための「ビジョン設計」特集の一部です。
まだ「院のコンセプト」自体が定まっていない先生は、まず全体像が分かるこちらの記事から読むことをおすすめします。ペルソナ作りがよりスムーズになりますよ。

そもそも「ペルソナ」とは?ターゲットとの決定的な違い
よく混同されがちな「ターゲット」と「ペルソナ」。 この違いを明確に理解しているかどうかが、集客の分かれ道になります。
- ターゲット(集団) 「名古屋市在住、40代〜60代の女性」 性別や年齢で区切った、いわば「ピントの合っていない集合写真」です。顔が見えません。
- ペルソナ(個人) ターゲットの中から浮かび上がる、たった一人の「具体的な人物像」。 「高橋洋子さん、48歳。スーパーでパート勤務。介護疲れで腰が痛い……」 ここまで絞り込んだ、「表情まで見える人物写真」です。
人間は「集団」には感情移入できませんが、「個人」の悩みには強く共感します。 「40代女性にウケる言葉」を考えるのではなく、「高橋さんの悩みを解決する言葉」を紡ぐ。この思考の転換こそが、選ばれる院づくりの第一歩なのです。
【実践】ペルソナを作るための5ステップ
「架空の人物を作るなんて難しそう……」 そう思われるかもしれませんが、手順は決まっています。空想ではなく、事実に基づいて積み上げていきましょう。
STEP1:情報収集(材料を集める)
机上の空論はNGです。リアルな情報を集めてください。
- 過去の患者様: 勤務時代に「こういう人こそ救いたかった」と思える理想の患者様を思い出してみる。
- 身近な人: 家族や友人で、ターゲットに近い人はいませんか?その人の口癖や生活リズムを観察します。
- 口コミ・知恵袋: 競合院のGoogleマップやYahoo!知恵袋は情報の宝庫。「どこに行っても治らない」という切実な悩みがそのまま落ちています。
STEP2:グルーピング(共通点を見つける)
集めた情報からキーワードを抜き出します。 「デスクワーク」「子供が小さい」「根本改善したい」「予約が面倒なのは嫌」 共通する悩みをグループ化して整理しましょう。
STEP3:骨格を作る(基本設定)
一人の人物としてプロフィールを組み立てます。 名前、年齢、職業、家族構成、年収、居住エリア……。履歴書を作るイメージです。
STEP4:ストーリーで肉付け(最重要!)
ここが命です。履歴書に「感情」と「物語」を吹き込みます。
- 一日の流れ: 朝は何時に起き、満員電車で何を感じ、夜は何時に帰宅してビールを飲むのか?
- 悩みの深掘り: 腰が痛いせいで、何を諦めているのか? 治療院に対してどんな不安(痛いのは嫌、売り込みが怖いなど)を持っているのか?
STEP5:プロフィールシートの完成
これらを1枚のシートにまとめれば、先生の院にとっての「理想の患者様カルテ」の完成です。
「手順は分かったけど、一人で書き出すのは大変そう……」
そう感じた先生のために、朗報です。
私たちが数々の開業支援で使用している「ペルソナ設計ワークシート」を特別にご用意しました。
質問に答えて埋めていくだけで、先生だけのリアルなペルソナが完成します。
ゼロから考える時間を短縮するために、ぜひ活用してください。

LINE友達登録で簡単ダウンロード完了。ワークシートに書き込むだけでペルソナが完成します
作ったペルソナはどう使う?賢い活用法
苦労して作ったペルソナ。飾っておくだけでは意味がありません。 経営のあらゆる場面で「羅針盤」として使い倒しましょう。
1. 集客メッセージの精度が上がる
チラシやブログを書く時、不特定多数ではなく「ペルソナの鈴木さん」に向けて書いてください。 「腰痛の方へ」ではなく、「デスクワークで夕方になると腰が重くなる鈴木さんへ」。 その呼びかけは、同じ悩みを持つ多くの人の心に深く刺さります。
2. サービス・内装の判断基準になる
迷った時はペルソナに聞いてみましょう。
・「鈴木さんは仕事帰りだから、夜21時までの受付は必須だな」
・「痛がりな鈴木さんのために、院内は落ち着いた暖色系の照明にしよう」
提供すべきサービスが、論理的に決まっていきます。
3. スタッフとの「共通言語」になる
「もっと愛想よくして」とスタッフに言っても伝わりません。
でも、「鈴木さんが安心できるように接してあげて」と言えば? スタッフ全員が鈴木さんの顔を思い浮かべ、「鈴木さんなら、こういう声掛けが嬉しいはず」と自発的に動けるようになります。
チームの一体感が劇的に変わる瞬間です。
まとめ:最高の院づくりは「たった一人」への共感から
ペルソナ設計は、単なる集客テクニックではありません。 先生の「人を救いたい」という熱い想いを、必要としている人に確実に届けるための「架け橋」です。
ぼんやりとした「皆さん」ではなく、たった一人の「あの人」の悩みに深く寄り添う。 その誠実な姿勢こそが、結果として多くの患者様に選ばれ、愛される地域一番店を作る最短ルートなのです。
ペルソナ設定で行き詰まったら、プロを頼ってください
とはいえ、自分の頭の中にあるイメージを言語化し、ビジネスに落とし込むのは難しいものです。 「自分の設定したペルソナで合っているのか?」 「競合と差別化できているのか?」
もし少しでも不安があれば、私たちにご相談ください。 数多くの治療院を成功に導いてきたプロの視点で、先生だけの「勝てるコンセプト・ペルソナ」を一緒に作り上げます。
まずは、先生が救いたい「理想の患者様」について、お話を聞かせていただけませんか?
